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◎人にはそれぞれ安心できる空間がある
人にはそれぞれ自分が安心できる空間があると言われます。この空間のことを「テリトリー(なわばり)空間」と呼びます。テリトリー空間の大きさは個人によってかなり違い、1メートル以内に他人が近づいてくると不安になる人もいれば、30センチでも平気な人もいます。
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対人関係について考えはじめる第一歩は、このテリトリー空間を知ることです。そのために、まずあなた自身のテリトリー空間がどのくらいなのか、チェックしておくことが重要です。知らない人が近づいてきたとき、どのくらいの距離で気持ちが落ち着かなくなるか確認してみてください。気持ちがザワザワしてくるような変化の起こるところが、テリトリー空間の境目です。自分と相手のテリトリー空間を知ることができれば、スムーズな人間関係を作るスタートを切ることができます。
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たとえば、テリトリー空間が1メートルのAさんと、同じく50センチのBさんが初対面をしたとします。このときBさんは、自分の安全距離内だからと60センチまで近づいてAさんに話しかけました。すると、どうなるでしょう。おそらくAさんは自分のテリトリーの中に入ってきたBさんに対して安全を脅かされたと感じ、構えた態度や警戒的態度をとり、決して打ち解けた態度で話を聞いてくれないに違いありません。
これとは逆に、自分のテリトリーは1メートルだからと、Aさんが1メートル以上離れたところからBさんに話しかけたとすると、どうでしょう。Bさんは距離があるので空々しく感じ、Aさんに対して親密な印象を抱くことはできません。これもぎこちない関係となってしまうでしょう。
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このように、人それぞれの持つテリトリー空間を知ることは人間関係を「作る」ことの大切な要素なのです。
◎距離感は状況に応じて変わる
テリトリー空間はいつも一定なわけではありません。状況に応じて変化するものです。初対面の人に対して1メートルだったAさんのテリトリー空間も、恋人に対しては0センチであるかもしれません。
社会学者のエドワード・ホールは、このテリトリー空間が「四つの距離帯(ゾーン)」に分けられると報告しています。さらにそれぞれが近接相と遠方相の2つに分かれるため、実際は8つの距離帯があると、ホールは言います。それが次の距離帯です。
★密接距離帯
とても親密な関係の距離です。親密でもない人が不作法にこの範囲に入ってくると、生理的な不快感を感じます。近接相は身体的接触の距離、つまり0センチです。遠方相はおよそ15〜25センチで、手で相手の手を触れたり握ったりできる距離です。
★個体的距離帯
友人関係などの距離です。近接相は約45〜75センチで、相手を抱いたりつかまえたりできる距離です。遠方相は約75〜120センチで、個人的な議論をすることができる距離です。
★社会的距離帯
社会生活上の距離です。近接相は約120〜220センチで、ちょっとした社交上の集いに出ている人の距離です。遠方相は220〜360センチで、上司と部下の距離などはこれにあたります。
★公衆距離帯
講演会に参加するなど、公的な機会に利用する距離です。近接相は360〜750センチ、遠方相は750センチ以上の距離です。
◎つきあいとともに距離をつめる
人間関係を考える上で、この距離帯は大切なポイントになります。とりわけ初対面だったり、まだ十分に関係が確立されていないときには、相手の距離帯に注意することです。つまり、テリトリーの境目の距離を保つようにすることが非常に重要です。
そして、つきあいが深くなるにつれて、距離をつめていくようにします。相手との距離が短くなるにつれて、親密度が増すはずです。かといって、限界以上に踏み込みすぎないように注意してください。
恋人、友人、職場の同僚、上司…、それぞれの関係によって距離も違います。同僚の関係だと思っていた人が恋人の距離に入ってきたら、不快感を感じるはずです。自分と他人の「距離帯」に十分な注意を払うこと――これが人間関係に強くなる第一歩です。 |
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