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◎世の中にはさまざまな人間関係がある
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角人の世は住みにくい」と夏目漱石が『草枕』の中で表現しているように、人間関係の悩みは今にはじまったことではありません。人間社会におけるトラブルの大半は人間関係の問題に帰せられると言っても、決しておおげさではないでしょう。他人同士が「ソデ擦りあうのもなんとやら」と言って、譲り合い助け合いながら暮らしているのが私たちの社会なのです。人間関係を抜きに、私たちの暮らしを語ることはできません。
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一口に人間関係と言っても、その中身はさまざまです。たとえば、恋人、友人、夫婦、親子、親戚、同級生や先生、趣味の会や町内会、そして職場と、あらゆるところに人間関係があります。そして、それらは一様ではありません。だから、「友人との人間関係はうまくいっているけれど、職場の人間関係がうまく作れない」という人もいれば、「職場の人間関係は良好なのだが、妻との関係がうまくいかない」という人もいるのです。すべての人間関係がうまくいっているという人は、むしろ少数派かもしれません。
◎職場の人間関係の特徴
とりわけ人間関係の悩みとして語られるのが職場での関係です。要するにビジネスの場での人間関係の難しさを悩み嘆く人がとても多いのです。
職場の人間関係とは、どういうものなのでしょうか?
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プライベートな人間関係と職場の人間関係の一番の違いは何でしょうか? それは、職場の人間関係は好き嫌いの感情をコントロールしなければ成り立たない、ということです。プライベートでも同じじゃないかと思われるかもしれませんが、質が全然違うのです。
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たとえば、プライベートでは、友達と気が合わなくなったら顔を合わせないようにすることができます。夫婦喧嘩をしたら一週間ぐらい口をきかないことだって、許されます。サークルのメンバーともめたらサークルに出ないようにすればいいし、別のサークルに鞍替えしてもいいでしょう。プライベートな人間関係では、気の合う人、仲のよい人たちと自分との人間関係を組み立てていくことができるし、それが許されるのです。
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職場ではそうはいきません。隣の席の同僚に「あんたとは気が合わないから、別の課へ行ってくれよ」とは言えませんし、「上司の××さんは性格が悪いから、配置転換してください」と申し出るわけにもいきません。「嫌いな人」「気の合わない人」「いやな人」「許せない人」「軽蔑する人」とも、我慢してつきあっていかなければならないのが職場の人間関係なのです。したがって、プライベートと同じような態度で臨むと、思いがけないトラブルに遭遇することになってしまいます。
◎トラブルを生み出す要因を探る
人間関係のトラブルを作り出す原因はなんなのでしょうか? よくよく観察してみると、相手を嫌いと思い、あるいは、自分は嫌われていると思うような小さなキッカケが最初にあって、それがだんだん大きな溝になっていってしまうことが多いようです。
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そして、この最初の小さなキッカケをそのまま放置しているところに、問題の原因がかいま見えます。つまり、一つの小さなキッカケを境に、色眼鏡をかけて相手を見るようになってしまうことがあるのです。
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ひとたび色眼鏡で相手を見るようになると、相手の一挙一動がすべて気に食わなく見え、自分と敵対しているように感じられるようになります。こういうことは、みなさんも一度や二度は経験しているのではないでしょうか?
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そういう気持ちを持って相手と接していれば、相手もなんとなくわかるものです。その結果、双方になんとなく気まずい空気が生まれ、溝ができてしまうというわけです。これが人間関係のトラブルを生み出す大きな原因となるのです。
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